『未来のレッスン:デザインフィクション ──脱人間中心の試み』に参加してきました。
みなさんこんにちは!マイロプスデザイナーのishidoです。
やっと寒さのピークを越えた気がするこの頃ですがいかがお過ごしですか?
今回は先日2月5日(土)に開催された「デザインのレッスン」のワークショップの様子をレポートをいたします!
「デザインのレッスン」とは
「デザインのレッスン」とは、グラフィックデザイナーの永原康史さんを中心としたグループと、THINK OF THINGSが共同企画・運営する<実験と発見をベースにしたレクチャー&ワークショップ>です。
過去から未来に続くデザインを体験し、ものの見方や考え方を再考します。
今回は「過去」「未来」「ことば」の3つのテーマでそれぞれのゲスト講師陣と一緒に手を動かしながら考えていきます。
https://think-of-things.com/news/2019/02/---lesson-2--.html
今回参加した目的
私は現在デザイナーをしていますが、デザインという定義がとても広いものに感じており、
"デザインの考え方を再考する"というコンセプトに惹かれて参加しました。
未来のシナリオをデザインする
「デザインのレッスン」第2回目となる今回は、
『未来のレッスン:デザインフィクション ──脱人間中心の試み』という題材で未来に焦点を当てる回でした。
みなさんはスペキュラティヴ・デザインという言葉ご存知でしょうか?
スペキュラティヴ・デザインとはデザインシンキングのような課題解決型ではなく、これからの社会はどうなっていくのかを考え、未来のシナリオをデザインして、いまの世界に違った視点を提示するデザインのことを指します。
"デザイン"というと、一般的に知られているのがデザインシンキング "人間中心のデザイン(HCD)"ですね。
認知心理学や行動学に基づいて人間が使いやすい設計をすることで 問題を解決していくというプロセスです。
人間中心のデザイン設計は様々な業界で欠かせないものですが
「だけどそれって人間はよくても環境そして地球全体にとってはどうなんだろう?」
という視点から
"人間中心"→"脱人間中心"
人間を中心にしないデザインの考え方が今回のワークショップのテーマでした。
脱人間中心"視点を得て開発するワーク
この先の未来に"自分がどうなったら嬉しいのか?"
と考えるワークをしました。
条件は、人間が得するだけではなく、
地球にとっても人間にとっても良い アイディアを考えるというもの
一挙両得を狙うイメージです。
とはいっても普段の思考の枠を超えているのでいきなりアイディアは出ない!ですよね。
そこでアイディア出しをする上で提案をされたのが
- SDGsを参考にすること
- テクノロジーを使うこと
- 参加者の各グループでアイディアを出し合うこと
SDGsは名前だけでも聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
SDGsとは、様々な世界が抱える問題(貧困/環境資源/差別 など)を17の目標と
169のターゲットに設定し2030年の解決を目標に
人間、地球ともに持続可能にしていこうという取り組みです。(すごくざっくりな説明です。)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
こちらの17のカードから選抜してアイディアを出します。
そして、最後にアイディアを出すポイントとして挙げられたのが
いくつか出したアイディアの中で一番とっぴなアイディアを選ぶというもの
とっぴであればあるほどアイディアがまとまりやすいからだそうです!
グループディスカッションでアイディアを出し合う
会場内は複数のテーブルに別れて参加者がおり、各テーブル毎にチームを組んでアイディアを出して行く事になりました。
私たちのチームの中で一番とっぴなアイディアだったのが
人がもし服を着なくなったら? というもの
私たちは服を着て生活をしていますが、衣服を身につけることで資源を使い続けています。
また、服はステータスの一部でもあり貧困の差が浮き彫りになるアイテムでもあります。
このアイディアが実現されればSDGsの中の17の課題から下記3つがクリアできます。
実現方法を考える
アイディアがでたところで次のステップは実現方法を考えてみることです!
その前に、そもそも服の役割はなんだろう?
とまずは整理をすることにしました。
服の役割とは
機能面→体の保護(温度調節/衝撃から守る)
感情面→自己表現(ファッション)
上記を整理して上で、機能面、感情面をともに満たす方法を考えました。
機能面
- 地球の資源を使わずに体を保護するには動物からヒントを得て全身毛を生やすことに。
感情面
- 自己表現の自由に損なわないためにはVRを装着して相手には自分の理想の姿を見せる
実現方法もかなりとっぴなアイディアがでました。笑
そして、最終的にイラストにまとめました。(見えづらくてすみません)
感想として個人的にはVRで思った姿を見せられるのはかなり都合が良い思ったのですが、
視覚と触覚が違うとか。コンタクトを外したらがっかりするのではないかなど
諸々の課題を残しながら今回のワークは完了しました。
まとめ
問題定義の視点から考えるワークは普段の思考を飛び越えるものになりました。
実現しないと思い込んでいることもテクノロジーやみんなの知恵を使えば解決可能かもしれない。
そこで実現できるアイディアも突き詰めていけば見つかるかもしれないと思いました。
また、アイディアを出す上で今回のように制約を決めて行うことは目的からずれない良い方法だと思ったので
現状の仕事でのアイディア出しでも実践してみようと思いました。
今回グループワークを通じて 参加者それぞれ感じている人として感じる欲求と地球の問題を繋ぎ合わせて
解決していくプロセスは頭を使いましたが楽しい体験でした。
何かを発想するとき、すでに存在しているモノコトに目を向けがちですが、
その先の未来にも目を向けるヒントが得られたと思います。
皆様も、今はまだ存在しないデザインについて考えてみるのも面白い体験になるのではないでしょうか。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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