世界一使われているフォントのリニューアル/既存フォントとのフォルムの違いを検証してみた

こんにちは!マイロプスのデザイナーのIshidoです。
今回は2019年4月9日にMonotype StudioによってリリースされたHelvetica Nowについて書いてみました。

目次
その1:世界中で最も使われているフォントHelveticaとは
その2:Helvetica の歴史
その3:Helvetica Nowの進化
その4:Helvetica Now text とこれまでのHelveticaを比較してみた

世界中で最も使われているフォントHelveticaとは

Helveticaといえばおそらく世界で一番多く使われているフォントであり、
クセがなく汎用的に使用ができ、さらに力強さも備えているデザイナーにとってなくてはならないフォントです。

また、形が優れているだけでなくフォントのウェイトが豊富で表現力が豊かです。
有名企業のロゴとしても多数使用されており、
evianやBMW、日本企業ではパナソニックや無印良品などと広く使われてきました。

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Helvetica の歴史

そんな影響力のあるフォントであるHelvetica。
今回リニューアルをするにあたり、これまでどんな変還を辿ってきたのか振り返ってみました。

1957年
スイス人タイプフェイスデザイナーのマックス・ミーディンガーとエドゥアルト・ホフマン(Eduard Hoffmann)が制作したローマ字書体を手組み用活字としてスイスのハース鋳造所がで発表。当時の名称は名称は「ノイエ・ハース・グロテスク」(Neue Haas Grotesk)


1960年
名称を変更しHelveticaとしてステンペル社から発表された。Ultra LightからUltra Boldまで、Helveticaは31種類の様々なウェイト(ファミリー)がデザインされた。
写植の時代になると、その人気ゆえに多くの模倣品が作られ、細部が微妙に異なるものの「別名のHelvetica」が氾濫した。


1983年
その後ステンペル社は改訂版となるNeue Helveticaを発表。
Neue Helveticaでは51ウェイトという完璧なファミリーを形成された。

参考元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%81%E3%82%AB

歴史を振り返ってみると、手組み用活字 → 写植→そして現在まで長きに渡り活躍し、
ウェイト数もアップデートされてきたことがわかりますね。

Helvetica Nowの進化

そして今回リリースされたHelveticaNow。一体どのような進化を遂げたのでしょうか。
開発元のMonotypeによると、これまでに作られたフォントはインターネットでの使用といったことは想定されておらず、
デジタル化に適さない部分が残っていたため可読性を高めるなどして現代に見合ったスタイルに改良をしたそうです。
使用環境に合わせて「Micro」「Display」「Text」の3種類、全48書体が用意されました。

Helvetica Now text とこれまでのHelveticaを比較してみた

今回Helvetica Nowとして発表された書体の3タイプの中で最も従来のスタンダードなフォルムに一番近い「Text」の「Light」をピックアップしてフォルムとしてはどこが進化したのか既存フォントであるHelveticaとHelveticaneueと比較してみることにしました。

比較方法
それぞれのフォントを重ねて違っている箇所を検証。
比較対象:Helvetica/Helveticaneue/Helvetica Now text
ウエイト:Light

  • 赤:Helvetica(Light)
  • 緑:Helveticaneue(Light)
  • ブルー:HelveticaNowtext(Light)
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●tの先端の違い

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Helvetica(赤):上にカーブ/強弱あり
Helveticaneue(緑):カーブなし/強弱あり
HelveticaNow(ブルー):カーブなし/強弱なし

フォルムが微妙に変わっているのがお分かりいただけるでしょうか。
従来のHelveticaと比べてカーブ(ハネ)も強弱もなくなりよりシンプルなフォルムになっていることがわかります。

●wのフォルム

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HelveticaNowのみ山なりの部分もNowのみ同じ太さで構成されているのがわかりますね。

比較をしてみた結果

  • Nowは全体的にウェイトに均一感あり
  • 太さの強弱がなくなっている
  • Nowは下がキチッと揃っている

考察
本当に微妙な変化ですが、比較をしてみると以前より洗練された印象でよりクセがなくなっているのがわかります。
そのため、小さなデバイスでもより視認がしやすくデジタル化に適した改良がなされていることを感じられました。

時代と共に進化をしていくHelveticaから今後も目が離せません。

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ishido

デザイナー

紙媒体出身のデザイナー。
山羊座のB型。
不変のマイブームは愛猫モフモフ
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