大建工業株式会社
「PROJECT RING」展示型インスタレーション制作支援
- 企画・設計
- ディレクション
- ビジュアルデザイン
- UIデザイン
- フロントエンド

大建工業株式会社(2025年9月26日よりDAIKEN株式会社。以下、DAIKEN)の資源循環を起点とした研究開発プロジェクト「PROJECT RING」における、新規事業開発と社会との関わり方をビジュアライズした展示型インスタレーションの企画・制作を支援しました。
2025年で創立80周年を迎えるDAIKENがミライに向けた取り組みを展示するイベント「DAIKEN TryAngle フェア EXPAND THE FUTURE」において、多くの来場者に向けて展示されました。
プロジェクトの背景
DAIKENの新素材の研究開発や新分野への展開を担うR&Dセンターでは、開発中の素材や技術のイノベーションで実現したい「建設業界を超えて社会全体が循環する理想の姿=“リジェネラティブな社会”」のイメージをどうしたら皆で共有できるのか、社内外への周知方法を模索していました。
複数の研究開発テーマが一つの理想に向かってつながっていること、そこではDAIKENや建設業界だけでなく社会全体が循環し、私たち一人ひとりがその一員だと伝えられること…それにはデザインやビジュアルの力が必要なのではないかという着眼点からマイロプスに相談をいただきました。
課題解決までのアプローチ
最終アウトプットをイメージするためのワークショップ
プロジェクトの最初の段階で、完成までに二段階のステップを踏む(①ベースとなる世界観のイラストを作成し、②その後インスタレーションとしての展示内容を盛り付ける)ことを決めていたため、①のイラスト構成を決めるところから着手しました。
まず最初に、リジェネラティブな社会をビジュアルで表現する場合にどのような見せ方が適しているのかを決めるためのワークショップを行いました。
ワークショップでは、様々な企業のイラストのサンプルを集めて構成ごとに分類し、その構成だと何を伝えやすいのかをマイロプスから説明を交えながら、理想に近いものを一つずつ絞り込んでいきました。
発想の下地をつくるための社内インタビュー
R&Dセンターをはじめ、今まさに新素材や新技術の研究開発をされている関係者にインタビューを行い、その技術で実現するイノベーションや「PROJECT RING」にかける熱意を伺いました。
これにより制作サイドの「PROJECT RING」に対する理解度を上げ、イラストの発想の下地づくりと同時に専門用語の理解にもつながりました。
ラフ案の細かなやり取りを重ねたイメージのすり合わせ
DAIKENの担当者がどのような想いをもっているのか引き出し、一つずつ言語化を行いながらイラストのラフ案を作成しました。
小さな違和感も解消するために、この段階でイメージを詳細にすり合わせておいたことで、その後本番イラスト作成の段階になってもブレることがありませんでした。

展示会場を想定したインスタレーション化
スタンドアローンで特定の動作環境になることは早い段階で決まっていたため、Adobe Animateで構築を行いました。
展示要素の一部であり、タッチディスプレイで来場者へ説明しながらの操作となるためUIやインタラクション上の装飾要素は最小限としました。
プロジェクトのワークフロー
- イラストの方向性を探るワークショップ開催
- プロジェクトの理解度を上げる社内インタビュー
- イラストラフ案作成でのイメージのすり合わせ
- 本番イラスト作成
- Adobe Animateでのインタラクション構築
クリエイティブのポイント
- R&Dセンターとのコミュニケーションで登場する専門用語をデザイナー自身が極力理解しながら進行しました。これにより「なんとなくそれっぽいもの」ではなく、今後のプレゼンにも使用可能なプロジェクトの理念を存分に表現したイラストとなりました。
- 特定の動作環境であったため、イラストの造形に合わせたタッチエリアを自由に編集できるAdobe Animateで構築を行いました。
- 言葉だけのやり取りでは想像上のアイデアをそのまま比較・検討することは難しいため、議論の過程で出てきたアイデアはほぼ全てイラストに起こし、実際に見て納得して意思決定をしてもらえるよう制作を進めました。
Credit
- Client:大建工業株式会社
- Director:折坂聡彦(マイロプス)
- Designer:泉佳子(マイロプス)
- Front Engineer:市川彬(マイロプス)
- Illustrator:泉佳子(マイロプス)
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