古ぼけた写真を作ろう

私の趣味は写真を撮ることなのですが、今回のタイトルは「意図的に古ぼけた写真を撮る」というよりシチュエーションや加工法で"古ぼけた風"の写真を作ることを目的としているのでこのタイトルとしました。
私の言う古ぼけた写真とは、経年による影響で退色や変色した写真や実家に置いてありそうな下手な雰囲気の写真、何か懐かしい感じがする写真のことを意味しています。

オールドレンズでも古い感じの写りを楽しむことはできますが少し嗜好が違います。あくまでも劣化したような写真を目指します。

ルール

目指すにあたって下記のルールで作っていきます。

  • 最近建造されたような新しい建物が写っていると違和感を感じるので写さない(年代による)
  • 加工はする

というわけでまずは色々撮り歩きます。
ザラザラした感じを出したいのでカメラ側の設定でグレインエフェクトのようなノイズを乗せるエフェクトがあれば使用します。
ISOを高めに設定しておいてもいいかもしれません。ブラックミストのようなレンズフィルターがあるとドリーミーな感じになるのでそれもおすすめです。

色褪せた感じを出してみる

色褪せた写真
FUJIFILM X-Pro-3 XF50mmF2 WR

こちらは小金井市の江戸東京たてもの園のとある建物です。
園内の建物は文化的価値の高い歴史的建造物を移築、復元してある野外博物館となっており本テーマとの親和性が高いかもしれないと思い撮影してみました。
建物のせいか、光のせいか、色のせいか、奇妙な夢のような画になりました。

Lightroomのパラメータは下記のような感じで調整します。

露光量+0.77
コントラスト+19
ハイライト-100
シャドウ+95
白レベル+47
黒レベル-19

そのうえでカラーグレーディングもグリグリ弄っていきます。
シャドウ青方向、ハイライト赤方向、中間色パープル方向

Lightroomのカラーグレーディング

この設定は実家においてあった自分の写真(使い捨てカメラ)を見直してみたところかなり青っぽく変色しており、その雰囲気を真似しようと思ったものです。

何が撮りたいのかわからない感じを出してみる

何が撮りたいのかわからない写真
FUJIFILM X-E4 MC ROKKOR-PF 50mm

何が撮りたかったのかわからないけど、眠っている写真に妙な懐かしさを感じることがあります。これはピントを外してノイズを多めにのせて観光地で適当に撮った写真を目指したものです。懐かしさがあればなんでもいいのです。

昔の邦画の雰囲気を出してみる

昔の邦画の雰囲気の写真
FUJIFILM X-Pro-3 XF50mmF2 WR

この写真もノイズを多めにしシャドウとハイライトは青に振り、中間色はオレンジに振りました。トタン屋根の住居、坂、看板、擁壁、山といった、いなたい感じが80年代の邦画のような雰囲気になったと思います。

何故やろうと思ったのか

さあ写真を撮りに行こうと思っても、私のように写真を撮ること自体が目的の人の場合、特定の事柄や事象を追いかけている訳では無いので、大体の場合「とりあえず街に来てみた」が写真動機になると思います。

そうした場合ターゲットをその場で考えたりするので「つまらない写真ばかり量産してしまった」「撮りたいものがなかった」「天気が悪かった」「一体自分は何が撮りたいんだろう」と袋小路に入ることがあるのではないかなと思います。
あるテーマを持っていると行動しやすいのですがそうでない場合、このように加工することで本来のテーマではなかったけど別テーマとして復活させることができたので書いておこうと思いました。

気付いたこと

いいか悪いかはさておき、このような加工による嗜好もあると何だかつまらない写真が撮れてしまったときに救済できる方法として活用できるので面白いです。
古ぼけた写真以外にもその他の写真はこちらからご覧いただけます。
https://matsunagapf.myportfolio.com

マツナガ

ディレクター

東京都出身
モノを作るのが好き。
趣味はカメラ。ジンバルの勉強中。

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