なぜデザインの力が求められるのか?

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デザインしないデザイン案件が増えてきた

デザイナーの仕事というとグラフィックを作ったりロゴを作ったりということを
思い浮かべる人が多いと思います。
現に自分もそう思っていました。
けれど、10年ぐらい前から会社経営も何かデザインと似ているなと感じ始めました。

似ているポイント

  • 課題に対して正解がない
  • 人と人とのコミュニケーション改善が根底にある
  • ダイナミックな発想と行動力(制作力)が必要

こんなことを考えながら、コミュニケーションデザインの一貫として飲食店をやってみたりしたのですが、
そう甘くはなく撤退を余儀なくされました。
しかしその過程で、人は本能的にコミュニケーションを求めていて、
そのビジネスのドライブにはデザイナーの力が必要だなと改めて確信できました。

そんなことを思ってはいたもののうまく言語化できないでいたところ、世間にはだんだん「UXデザイン」や「サービスデザイン」、「デザイン思考」などという言葉が出てきて、うまく言語化できなかった自分には随分助けになりました。それと同時に、皆同じようなことを考えていたのだなと安心したのを覚えています。

そして、マイロプスにもそのような案件の相談が来るようになってきました。

  • 社内をヒアリングしてビジョン・ミッションを一緒に考えて欲しい
  • 新規事業開発のワークショップを行なって欲しい
  • 社内にブレーンとして入って、様々な知見を共有して欲しい

今まではいわゆる制作が中心で、チャンスがあればクライアントの問題の本質に対して問いを立てたりするものの、「デザイナーが何を言ってるの?」という風な対応をされることも多くありました。
けれども最近は話を聞いてくれますし、クライアント側から相談に乗って欲しいと訪れるパターンも増えてきました。

何が変わったのか?

正直ここに対する明確な答えはありません。
昔に比べて、ビジネスについて語れるデザイナーが少し増えたような気がしますが、
おそらくこれは他のデザイナーも同様に目に見えないデザインの相談が増えてきたからが故にだと思います。
一番の大きな変化は、このまま今までの延長線では生きていけない、何か新しいこと、新しい刺激をいれて変化していかないと10年後には会社が存在していないだろうと感じた経営者が増えたのかなと思っています。
その証拠なのか様々なビジネス誌や新聞でイノベーションという言葉を目にする回数が格段に増えたと思います。

ビジネスにおけるデザイナーの武器とは?

イノベーション wikipediaより

イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新機軸」「新結合」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すという意味に認識されることが多いが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自律的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。また、イノベーションは国の経済成長にも極めて重要な役割を果たす[1]。

文字にすると難しいですが、デザイナーの得意技ばかりが並んでいます。
デザイナーの武器は、発想力、観察眼、見立てる力だと思っています。
まさしく、イノベーションを起こすのはデザイナーの天職ではないですか!!

だがしかし。。。

残念ながら、日本のデザイン教育はどちらかというと目に見えるものを作る職人的な内容でした。
最近でこそ、社会をデザインするという切り口のデザイン学科・学部も出てきましたが、
まだまだ社会での理解は、「絵が上手いから、もの作りが好きだから美大・専門学校に行った」という見られ方をされることが多いです。
デザイナー同士での会話やデザインの雑誌などでは、デザインがビジネスに必要であるということは周知の事実ですが、異業種交流会ではお絵描きの会社ぐらいに扱われたこともあります。
この背景には、デザイナー自身の発信力不足も大きくあると思っています。
そもそも「デザイン」「デザイナー」という言葉の定義が広すぎて、目に見えて感情に訴えたり、アウトプットの再現性が一定でない作家的な側面を持つデザイン・デザイナーから、UXデザイン・UXデザイナーのような目に見えない仕組みを作る行為までを同じ単語(「デザイン」「デザイナー」)でまとめているのですから、第三者から見たら混乱するのは間違いないですし、仕方がないことです。

マイロプスでやること

デザインはビジネスに資するものであり、コミュニケーションを作る上で重要であり、
社会に欠かせないものです。
この重要性を啓蒙していくことが改めて今後チャレンジしていきたいことであると
この文章を書いていて感じました。

この啓蒙活動を行うのが必ずしもデザイナーである必要はないと思います。
エンジニアでもマーケターでも肩書きは関係なく
「デザインが社会を良くする」、「すべてのものがデザインされていなければならない」
と感じていることが大事です。

マイロプスでは、デザインの力を信じる仲間を募集しています。

Orisaka

代表取締役 CEO

武蔵野美術大学 造形構想研究科 修士課程 造形構想専攻クリエイティブリーダーシップコース修了
中央大学理工学部卒業、STRAMD第7期生
製版DTP、映像制作、プログラマー、ウェブ制作 などを経て、2006年 ギャラリーバーノイエ創業、2008年 株式会社マイロプス代表取締役 就任。
趣味はバスケットボールと釣り。千葉県出身。
Twitter @orisakatoshihik

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